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劇団櫂人第3回公演

作・宮本 研 演出・美術:篠本 賢一

​ブルーストッキングの女たち

<期日>2017年5月24日(水)~28日(日)
<時間>24(水)18:00・25(木)13:00・26(金)13:00/18:00・27(土)13:00・28(日)13:00                
<料金>(日時指定自由席)
 一般:3500円 小中高生:2000円  *未就学児のご入場はお断りしております。​
<劇場>上野ストアハウス

 

「命みじかし 恋せよ乙女」

運命に翻弄されながらもそれぞれの恋を、人生を必死に生き抜いた女たちを中心に、近代日本の青春時代、大正を舞台に描いた傑作群像劇

<CAST>

平塚らいてう                           田中淳子

神近市子         小池恵子

尾竹紅吉         水野真由美

堀保子(大杉栄の妻)   青木 恵

辻ミツ(辻潤の母親)   向後正枝

伊藤野枝         山口しのぶ

松井須磨子        佐藤陽子

島村抱月         服部次郎

辻潤           柘植英樹(客演)

荒畑寒村         草野峻平(客演)

奥村博          大南 宏(客演)

大杉栄          金井賢一

看守           大南 宏(客演)

甘粕憲兵大尉       東條将孝

森憲兵曹長        服部次郎

当番兵          大南 宏(客演)

尾行警官         黒井暁子

メゾン鴻の巣の女給1   鈴木里花

メゾン鴻ノ巣の女給2   宮下文子

日蔭茶屋の女中お源    宮下文子

辻一(まこと)      滝沢直純(子役)

大杉魔子         鈴木里花

<劇中劇>

ノラ           佐藤陽子

ヘルメル         東條将孝

リンデ夫人        宮下文子

女中           黒井暁子

​<STAFF>

照明/ 朝日一真

音響/ 山田健之

舞台監督/ 森山香緒梨 

着付け協力/ 寿美とも子

宣伝美術/ 前嶋のの

チラシイラスト/ 村上洋子 

舞台写真/ 宮内勝

舞台映像/ 大塚登(東京舞台映像)

制作/ 高橋俊也(THEATRE-THEATER)

協力/ テアトルアカデミー、遊戯空間、(有)創新企画、アトリエそら、オフィスJOY

演出の言葉

  富国強兵、殖産興業の明治時代は、日清日露の戦争に勝利し、わずか半世紀の間に飛躍的に国力を高めていきました。明治の末になると、民衆も力を増し、華族らの主導する政府に対して疑問を呈するようになりましたが、12名の社会主義者が、「大逆事件」(1910)で国家権力に命を絶たれてしまいます。

 演劇に目を向けると、海外の戯曲を積極的に上演しようとする小山内薫の自由劇場、坪内逍遥の文芸協会などが、劇場に新しい風を吹かせていました。イプセン作『人形の家』が、松井須磨子の主演で大衆の支持を得ていたことと、女性による女性のための月刊誌「青鞜」の発刊で、「女性」というものが意識的に語られるようになったこととは偶然ではありません。

 15年間続く大正時代は、人々が理想的な人生を模索した、いわば青春時代のような輝きに満ちた時代でもありましたが、大正12年の関東大震災の後、「治安維持法」は社会を大きく戦争の時代へと舵取りをしていきます。大正時代、社会の因習と格闘し新しい生き方を模索した女性たちの生きざまを舞台に蘇らせてみたいと思います。(篠本賢一)

 

 

作者紹介

 宮本 研(みやもと けん、1926年-1988)熊本県出身。

中学時代の六年間を北京で暮らす。学徒動員ののち九州帝国大学経済学部卒業。高校の教諭、在日本大韓人厚生会勤務を経て、法務省に勤務。法務省在職中に戯曲を執筆するようになる。処女作の「僕らが歌を歌うとき」(1957)で職場演劇サークル内の葛藤と希望を描き、注目される。『日本人民共和国』、『メカニズム作戦』で第8回岸田國士戯曲賞を受賞した。1962年法務省を退職し、職業劇作家となる。舞台だけでなく、ドラマや映画の脚本も手掛けた。戦後三部作の『反応工程』『日本人民共和国』『ザ・パイロット』、革命四部作の『明治の棺』『美しきものの伝説』『阿Q外伝』『聖グレゴリーの殉教』など1970年代前半までの作品の多くは、革命運動、革命指導者と民衆の矛盾を描いた。その後、女性を中心に据えた作品も多く書くようになった。

 

『ブルーストッキングの女たち』(1983) あらすじ

 大正元年(1912)、「元始女性は太陽だった」と宣言し日本初の女性による女性のための月刊誌となった「青鞜」に刺激を受け、伊藤野枝(17才)が、平塚らいてう(26才)に会うため、九州から上京してくる。

 青鞜社には、新しい女たちと呼ばれる、神近市子(24才)、尾竹紅吉(19才)らがいた。野枝も加わり力強く歩み始めた「青鞜」。やがて、らいてうから編集を引き継いだ野枝は、辻潤との結婚生活に疲れ、無政府主義者大杉栄に惹かれるようになる。フリー・ラブを主張していた大杉は、妻の保子、神近市子、伊藤野枝との四角関係になってしまう。そして、そんな関係に亀裂が生じる事件が起こる。

 女優松井須磨子は、島村抱月と芸術座を旗揚げし、劇中歌のヒットにより一世風靡していたが、突然二人を引き裂く出来事が持ち受けていた。大正12年(1923)、関東大震災で社会が混乱している最中、甘粕憲兵大尉に連行される大杉と野枝……。

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